首から上の不調に。ナスヤのやり方
アーユルヴェーダでは、浄化のために体のあらゆる穴に油を注入しますが、鼻の穴もその対象です。
ここでは、鼻の穴に2滴ほど油を点鼻する「ナスヤ」のやり方をご紹介します。
わたしは北海道札幌市でアーユルヴェーダのおうちサロンsatowaアーユルヴェーダを運営しています。
サロンではお客様にナスヤをおすすめすることも多いため、改めてご紹介します。
ナスヤのやり方①準備
油はスーパーの棚にも置いてあり、入手しやすい「太白胡麻油」がおすすめです。
太白胡麻油は「白」という字が入っていますが、色は油のほんのり黄色がかった透明度のある油です。
間違えて茶色の油を購入しないようにして下さい。
点鼻用の容器としては、生活の木で販売されている「樹脂ボトル 10ml」が使いやすいです。
価格は120円ほどでした。
キャップを外して容器に少し力を入れると、油がポタポタと出せます。
通販ですと、ヨドバシドットコムで購入すると送料無料で入手しやすいです。
ただし、樹脂ボトルは遮光性がないので、日の当たる場所に置きっぱなしにしないでください。油の酸化や劣化が早まる原因となります。
同じく生活の木の「茶色遮光スポイト瓶 10ml」だと、その心配がなくなりますが、価格は300円程度です。
ただし、オイルが少なくなるとスポイトで吸いにくい、というレビューもあります。
ナスヤのやり方②タイミング
ナスヤは1回2滴程度でしたら、1日に何回か行ってもかまいません。
浄化法の一環として、まずは朝に行うのが良いでしょう。
また、食事の後や外出前、夕方にも行うことができます。
OK時期
チャラカ・サンヒター9章には次の14の場合に施行するべきとあります。
- 朝
- 歯を磨いた後
- 家から外出する前
- 運動後
- 眼軟膏を塗布した後
- 薬物を口に含んだ後
- 摂食後
- 路地を歩いた後
- 房事の後
- 排便後
- 排尿後
- 午睡後
- 催吐法を行った後
- 夕方
NG時期
次のような状況では、2滴ほどのナスヤであっても禁忌となります。
- 慢性鼻炎
- 飲酒後
- 聴力障害のあるとき
鼻と耳にトラブルがあるときは、ナスヤを行わず回復してからにしましょう。
NG時期-補足
ちなみにナスヤには2滴ほどの「プラティマルシャ・ナスヤ」と、6~10滴を使用する「マルシャ・ナスヤ」があります。
マルシャ・ナスヤは病気の治療に用いられるもので、副作用が起こることもあります。
健康維持や病気予防には2滴のプラティマルシャ・ナスヤで十分ですので、ホームケアではこちらをおすすめします。
ナスヤ
2滴ナスヤは「プラティマルシャ・ナスヤ」
多量ナスヤは「マルシャ・ナスヤ」
ホームケアでは行わない、と言いましたので蛇足になりますが…
6~10滴のマルシャ・ナスヤは、生理が終わってから排卵が始まるまでの期間(ルトゥカーラ)は行わないでください。
生理後から約10日間は、パンチャカルマの一環としてもナスヤは行わない時期とされています。
ナスヤのやり方③点鼻方法
- オイルを鼻の奥まで届かせるために、あごを上げて天井を見ます。
- 片方の鼻の穴に、容器から2滴ほどオイルを垂らします。
- その後、鼻をつまんで息を吸い込み、オイルを誘導します。
- オイルが喉に落ちてきたら、ティッシュなどに吐き出しましょう。
点鼻した後は、鼻からオイルが垂れてくることもあります。
お出かけ前には鏡をチェックして、垂れていたらぬぐいましょう。
あえてこんなことは書いたのは、わたしが外出時マスクに油がついていて初めて気づいたことがあるからです。
ナスヤに向く症状
ナスヤが効果的な症状は、鎖骨から上の不調です。具体的には、以下のような症状に向いています。
- 頭痛
- 花粉症予防
- 肩こり、首こり
- 眼精疲労
また、リウマチによる指先のこわばりにも良いとされています。
さらに、鼻の粘膜をオイルで保湿するため、寒い季節や旅先での乾燥対策にも役立ちます。
以上、ナスヤのやり方についてでした。
疑問や質問がありましたら、メールフォームからご連絡ください。
またサロンではアーユルヴェーダの施術であるアビヤンガとシロダーラを提供しています。
ご興味のある方は、Webサイトもご覧になってくださいね。