アーユルヴェーダとは
アーユルヴェーダとは、5000年以上の歴史を持つ、世界三大伝統医学の一つです。
語源はサンスクリット語で「生命の科学」を意味し、人生における有益なこと・無益なこと、幸福な人生・不幸な人生、そして人生の長さや人生そのものについて説いています。
アーユルヴェーダの語源
アーユルヴェーダは「生命の科学」や「生命学」「生命知識」という意味を持ちます。
古代インドのトリ・ドーシャ(tridosa)説を基にした医学体系が、アーユルヴェーダと呼ばれています。
アーユとは
アーユ(ayu)は「寿命」を意味しますが、生命、いのち、人生という意味も含まれます。
ヴェーダとは
ヴェーダ(veda)は、古代インドの聖典のことです。
リグヴェーダ、ヤジュルヴェーダ、サーマーヴェーダ、アタルヴァヴェーダの4つの聖典があり、ヴェーダという言葉は「知識」や「知恵」を意味します。
学問や科学を表すこともあります。
特にアタルヴァヴェーダは、儀式や行事における治療法を示しており、アーユルヴェーダとの深い関係があるとされています。
アーユルヴェーダの定義
次は、「アーユルヴェーダの定義」を示す古典の一文です。
「有益な人生・無益な人生、幸福な人生・不幸な人生、人生にとって有益なこと・無益なこと、人生の長さ・人生そのものについて説かれているもの」
(チャラカ・サンヒター第1巻第1章第41節)
幸福な人生・不幸な人生とは
幸福な人生とは、精神と肉体が病気に冒されていない人、若々しく能力にふさわしい体力や勇気、名声、優れた行動力を持っている人を指します。
知識や学問、活力ある感覚器官を持ち、富と楽しみがあり、自由に行動できる人が幸福な人生を送るとされています。
それに対し、そうでない人生は不幸な人生です。
(チャラカ・サンヒター第1巻第30章第24節)
有益な人生・無益な人生とは
有益な人生とは、他者の幸せを願い、他人の財産を欲しがらず、真実を語り、平和を求める人の人生です。
人生の三つの目的である「義務を果たし、財を得て、望みを満たす」ことを矛盾なく行う人が有益な人生を送ります。
反対に、これに反する人生は無益なものとされます。
(チャラカ・サンヒター第1巻第30章第24節)
アーユルヴェーダでは、人生における有益なこと・無益なことを以下の3つに分けて説いています。
- もの
- 性質
- 行い
例えば、有益なことは次のようなものです
- 牛乳
- 穏やかな気持ち
- 規則正しい食事
一方、無益なことは次の通りです
- 毒
- いらだち
- 不規則な食事