アーユルヴェーダ 秋の過ごし方とセルフケア
秋は、アーユルヴェーダにおいてsarad(シャラド)と呼ばれる季節で、日本では以下の2つの期間に分かれます。
- 初秋: 9月後半~10月前半
- 晩秋: 10月後半~11月
この時期、体力は夏の疲れを回復し、中程度に戻るとされています。
秋の変わりやすい気候や乾燥が、体や心に影響を与えるため、アーユルヴェーダでは、バランスを整えるためのセルフケアが重要です。
ここでは、秋におすすめのアーユルヴェーダ的セルフケアをご紹介します。
秋の食事① 初秋(9月後半~10月前半)
初秋には、次のような食材や味が勧められています。
- ハチミツ(※加熱しない)
- 油
- 酸っぱい味
- 塩辛い味
これらの食事は、アーユルヴェーダの古典書チャラカ・サンヒターやアシュターンガ・サングラハで、風や雨の多い日に推奨されています。
台風や長雨が多く、空模様が変わりやすい秋には、スープや煮込み料理にオイルをひと回し加えて、体に潤いと温かさを与えてみましょう。
秋の食事② 晩秋(10月後半~11月)
晩秋はピッタのトラブルが起きやすい時期です。
イライラしたり、人よりもよく見られたい・見栄が強くなる。
体は出血に関わるトラブル、皮膚炎や口内炎が起きやすいなど。
ピッタのバランスを取るため食べ物からアプローチしてみましょう。
これを防ぐためには、自然な甘みと少し冷たい食べ物が役立ちます。
- ブドウやリンゴ、ナシ
- 牛乳
さらに苦味(くみ)・渋味も助けになります。
・レタスやほうれん草など緑色野菜、豆類
・ブロッコリー・じゃがいも・にんじん
また、秋の美しい月光を浴びたり、白檀(サンダルウッド)やお気に入りの香りを身にまとうことも、ピッタを鎮める助けになります。
なんだかロマンチックな気分になりますが、これはピッタを下げるセルフケアなんですよ。
ギーを取り入れた食事
秋を健やかに過ごすために、アーユルヴェーダではギーの使用が特に推奨されています。
ギーはイチョウのように黄金色で、秋に乱れやすいヴァータとピッタの両方を整える効果があります。
「ギーって少しハードルが高い…」という声もありますが、実は秋はこってりとした食べ物が味方になる季節。
しっとりしたケーキや甘いお菓子も、適度に楽しむことで、体に必要な潤いを与えてくれます。
紅葉狩りの後に栗やサツマイモを使ったスイーツを味わうのはいかがでしょうか?
これらの旬の食材は、栄養が豊富で、季節を健康に過ごすためにぴったりです。
温かいオイルマッサージ(アビヤンガ)
秋は乾燥が進み、体が冷えやすくなるため、温かいオイルで行うセルフマッサージ「アビヤンガ」が効果的です。
特に、太白ごま油やダヌワンタイラムなど、保湿力が高く体を温めるオイルを使いましょう。
アビヤンガの手順:
- オイルを少し温め、手のひらにとります。
- 足先から順に、円を描くようにやさしくマッサージします。特に、関節部分を丁寧に。
- 体全体をマッサージした後、少し時間を置いて温かいシャワーやお風呂でオイルを洗い流します。
これにより、肌の潤いが保たれ、体も温まります。
体を温める食べ物とスパイス
秋には体を内側から温める食事が大切です。
温かいスープや煮込み料理、消化を助けるスパイスを取り入れることで、ヴァータの影響を和らげます。
おすすめのスパイス:
- ショウガ : 消化を促進し、体を温める。
- ターメリック : 免疫力を高め、体のデトックスに効果的。
- シナモン : 血行を良くし、血糖値のバランスを整える。
これらのスパイスを使った温かいチャイやスープは、秋の冷えに最適です。
規則正しい生活リズムの維持
秋は忙しさや不安定さを感じやすい季節ですが、アーユルヴェーダでは規則正しい生活リズムを維持することが心身のバランスに重要だとされています。
特に、早寝早起きを心がけ、食事や睡眠の時間を整えることで、心身の安定が得られます。
また、ヨガや瞑想を取り入れて、心を落ち着ける時間を作りましょう。
秋には、ゆったりとした動きと深い呼吸が、ヴァータの高まりを抑えるのに効果的です。
秋は、乾燥や冷えが体に影響を与える季節ですが、アーユルヴェーダのセルフケアを取り入れることで、心身のバランスを整え、快適に過ごすことができます。
ぜひ、これらのアドバイスを日常生活に取り入れて、秋を健やかに楽しんでください。